ブックレビュー#1 新入社員向けに
3月に入り、東京では暖かく、気候も春めいてきました。あとひと月ほど後には学生を終えて働き始める方、転職して新たな環境に入る方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな季節なので、新入社員の皆さんにおすすめしたい本とレビューを社内で募ってみました。
リーダブルコード
チームでクオリティの高い仕事をするということを考えていたので最近再読した。
副題にある通り、より良いコードを書くためのテクニックが書かれた本。すぐに使える例も含まれているが、1章の優れたコードという話題の中で読みやすさについて「コードは他の人が最短時間で理解できるように書かなければいけない。」と書かれていた。まさしくこれである。
良いコードを書こうと努力しているつもりではあったがまだまだ不十分だと気が付いた。プログラミング言語だけでなく GH に対しても有効な部分が多いので是非。
Naoki Yoshioka
プロジェクト内でコード書きをリードしてくれている吉岡さんが挙げてくれた本です。以前ブログで「読めるGH定義を書こう」という記事を出しましたが、GHもコードも自己流でやっているとカオスが発生し、自分にさえ再利用できなくなることが多々あると思います(実体験です)。とっとと読んでそんなことがないようにしたいものです。
The Neri Oxman material ecology catalogue
デザイン、テクノロジー、マニュファクチュアリング、バイオロジーの4つを軸として様々なプロジェクトを行っているMITメディアラボの作品集。これほど深いレベルで異種分野が交わったプロジェクトを実現しているのはここ以外にないと思う。工学的な側面だけではない、最先端を知るのにおすすめ。
Kenichi Kabeya
Neri Oxmanかっこいいですよね!生物学と3Dプリントなどの工学が交わった未来を見せてくれる研究者/デザイナーです。美学的な面では、生物的・有機的な、見ようによっては気持ち悪い造形が特徴的です。日本のデザイナーにもこういうこってりした造形をする人が出てきてほしいと個人的には思います(社でサポートさせてほしい)。
20世紀を築いた構造家たち
20世紀を代表する建築の構造設計者=構造家16人の生い立ちと作品を紹介し、その役割や背景となる考え方を追った本。評伝の形式をとっているので、初学者にも読みやすく楽しみやすい。構造家が時系列順に並べられているので、建設技術と社会的背景の変遷が建築物に強い影響を及ぼすことも理解できる。シンテグレートは情報技術で建築の作り方を変えようとしている会社だが、その創造性、効果や帰結を考える上でも示唆に富む。
Kantaro Makanae
社内で慶應の講義を作るときにも参考になりました。構造家一人ひとりのキャラクターが見えてくる、知識を得るにとどまらない味わいがある本なのでおすすめです。
CMガイドブック第3版
日本のCMrの教科書。実務と教科書は違うかもしれないが、ある程度体系化された形で建設とマネジメントについて知れば、BIMにも役立つ。WBSやEVMなどそのまま使える概念も盛り沢山。特に建設事業の全体像がまだわからない新卒や第二新卒に勧めたい。
Takahiro Ishihara
ティール組織
個人プレーではできないことがあるから会社で仕事をしている。予想不可能な新しいチャレンジを繰り返しつつチームで働くために、シンテグレートはどんな会社であるべきか?組織論の正解はわからないけれど示唆に富むこの書籍を読んで一つの視座を得てほしい。
Takahiro Ishihara
The Miracle Morning
自己啓発が人にどのような影響を与えるかを、研究事例を交えて伝え、自分を高めるためのヒントを提供する本。今まで自己啓発を意識したことがない人、何から始めたらいいかわからない人におすすめ。
Jaeyeol Shim
セルフ/組織/プロジェクトマネジメントの本を紹介していて、さすが二人ともマネージャーだな!という感じがありますね(皮肉ではありません)。実際、建築の設計・施工の仕事のかなりの部分はマネジメントの仕事だと思うのですが、プロジェクト遂行の技術論を学ぶ機会はとても少ないと感じます。
今後も折をみてブックレビューをしていきます。おすすめの書籍があったら、ぜひコメント欄や社のtwitterまで教えてくださいね。