本当にクオリティの高い建築のヴィジュアルはどうやってできるか(お悩み編)

ご無沙汰しております。VICCの松谷です。

今回は建築パースのお悩み?考えていることを書こうと思います。

パースを描く前のイメージの膨らませ方 

我々ヴィックはパース制作を始める前段階でパースの雰囲気のリファレンスを探し、パースに入れたいアクティビティについてイメージを膨らませ、ラフなスケッチを書いています。

以前のブログにスケッチとリファレンスの話をしています

こんな情景にしたいな。そしたら太陽はこのあたりあって、建てものにはこう光が当たって、アクティビティは、、、とイメージを決めて、パースの方針をクライアントに提案し、コミュニケーションとりながら進めています。参考にするものは写真、絵画など様々です。

海外のドラマチックなパース、説明的なパース

そんな中で、最近の海外CG制作会社のイメージを参考にすることが多いです。彼らのパースは没入感があり、とてもカッコいいです。

ですが、それらを参考にパースを描くと、「やたらとドラマチックなパースだけど、こんな風景は日本にあるか?とか、どこか座りの悪さや嘘っぽさを感じてしまいます。そして、そんな海外っぽいパースは、お客さんになじまない、違和感を感じさせるパースになってしまうのでは?という疑問を感じます。

それに対して、「説明的なパース」というものがあります。ヴィックで作ったのは、たとえばこんなやつ。

大宮駅グランドセントラルステーション化構想(仮称)GCSプラン骨子案イメージパース③※現在検討中につき確定したものではありません

ここにはいっぱい人が書き込まれていて、どんなアクティビティをしてほしいのか、どんな雰囲気の場所を作りたいのかがとても分かりやすくなっています。描かれていることに説得力がある、巧みでもあるパースです。でも、どうしても心に響かない感じが残ってしまう。建築の専門家でない人までも感動させる何かに到達していないように思ってしまうんです。どうにかできないものかと。

海外のドラマチックなパース、よく作っている説明的なパースのはざまで、どこに向かってよいのか分からずもやもやを感じていました。

坂口さんの作品から感じる日本的なリアリティ

最近本屋をふらついていたときに坂口恭平さんの画集が目に飛び込んできました。
(絵を描いたり、建築をつくったり、音楽をやったり色々やっている方のようです。)

空の表情、明暗のコントラスト、マンションや電柱の形、山や木々などの自然の色味、様々な要因がありそうですが、僕はこの絵に日本ならではのリアリティと情景を感じました。
ここから、日本人の原風景にあるような、嘘っぽくない、リアリティのあるパースも描けるのかも?と感じました。

海外の建築CG会社のパースは、建つ場所に寄り添った、海外ならではの情景を描いているのだと思います。フランスならフランスらしい、ノルウェーならノルウェーらしい情景を建築の周りに描いている。そのおかげで、ドラマチックであっても嘘っぽくない、その土地に合ったリアリティが出ているのではと。

そう考えた時、日本版MIR(海外の凄腕パース会社)のヴィジョンが見えた気がしました。

その場所に寄り添った情景を描く

もちろん説明的なパースも様々なことを視覚的に伝えることができるため必要だと感じますが、今の日本のパースはそればかりになりすぎているように感じます。

その場所に寄り添った情景を感じる1枚を描くことで、それがたとえ説明的でなくても、お施主さんに響き、またプロジェクトを進めていく上でのヴィジョンにもなりえるのではないでしょうか。

スター・ウォーズランドのコンセプトアート https://cinefil.tokyo/_ct/16977231より

少し話がそれますが、映画やゲーム業界にはプロジェクトを始める前にコンセプトアートと呼ばれるイメージを作成します。それによって関わる皆の向かう先が明確になり、細やかな部分を決めるときにも指針になります。

建築業界にもそのような位置づけのイメージが浸透すべきだと感じます。そして、僕たちはそんなイメージを描くことを目指して行きたい。(もちろん、そこには相応の対価が支払われるべきだと考えます)

未来の情景を想像し描けるように

コロナが落ち着いてきて、以前から通っているデッサン(お絵かき)教室に再び行くようになりました。 最近は少しデッサンに飽きたので坂口さんの風景のような情景を目指して絵を描いています。

日本の情景だなと感じられるものを自分で描くための練習です。頭でっかちになったら最悪です。クライアントの提案する建築の可能性を広げられるパース屋になるため日々精進していきます。

ちなみに手で描くときは、CGやPhotoshopを使うときと違って、色々な要素を分解して考えなければならないと感じます。一見遠回りのようですが、僕には逆に近道に感じています。Ctrl+Zが押せないつらさもまた良き。

そして何より楽しい。

最近、twitterinstagramを始めました。クライアントに出した作品だけでなく、デッサンやCGの習作のような、ぼくらの思考過程がわかるようなイメージもここで載せていけたらいいなと思っています。お仕事のご依頼もお待ちしております!

kazuki.matsuya

ヴィック、シンテグレートビジュアル担当。東洋大学非常勤講師。 ダイエット記録を社内Slackにてを日々更新中

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