建築CGパースのレタッチ効率化あれこれ#1-左手デバイスTourBox、アクション、connecter
初めまして。今年の春からヴィックで働いている堀尾です。
新卒入社後半年ほどの業務経験から、気になったことやこれからしていきたいことなど、話していこうと思います。
ヴィックの詳しい業務内容については、こちらの投稿を確認していただきたいのですが、
ざっくりと分類すると ”モデル作成・整理” ”レンダリング” ”レタッチ” 主にこの3つの作業を行ったり来たりしながら最終イメージまでもっていきます。
今回はレタッチ周りの作業について書いていこうと思います。
作業環境
↑こちらがphotoshopを使っているときの僕の作業環境です。最近左手デバイス(TourBox)を導入しました。できる限り、キーボードは使わずに作業できるようにショートカットを日々試行錯誤しています。
さて、この左手デバイス “TourBox” なのですが、3つのダイヤルが特徴的です。割り当てられるショートカットは、3つのダイヤルだけで同時押しで発動するものをを加えると11個もあります。しかし、実際ブラシの大きさや硬さ、透明度の操作、キャンバスの拡大縮小くらいしかつかってませんでした。
どうすれば有効にできるのか。
左手デバイスとアクションとの連携①
添景の人のなじませをする作業などでは、一つ一つ明るさやコントラストなどをコントロールしていきます。その時に毎回色調補正を使って調整するのはなかなか面倒です。
よく使うパラメーターをアクションでショートカットをつくって、左手デバイスに登録しておけばダイヤルを使って直感的にコントロールすることができます。
アクションの簡単な使い方はこちらの記事を。
左手デバイスとアクションとの連携②
他にもアクションと連携するとこんなこともできます。
例えば、“Ctrl+I(階調の反転)” と “Ctrl+Shift+I(選択範囲を反転) “ この二つのショートカット。“何か情報を反転させる”という意味ではよく似ています。実際ショートカットも”Shift”が入っているかいないかの違いしかありません。キーボードで慣れてしまえばそんなにストレスにはならないのですが、TourBoxに登録するときに同じような機能で二つキーを使ってしまうのは何となくもったいない気がします。
そこで、条件付きアクションを使用すれば、一つのショートカットキーで二つの機能を割り当てることができます。
- ”階調の反転”と”選択範囲を反転”の二つを作成した後に、TourBoxに登録するためのアクションを作成して、任意のショートカットキーを割り当てる。
- 登録用のアクションに条件付きアクションを作成する。今回は、選択範囲の有無で条件を分岐させるようにした。
ライブラリーの整理
photoshopで添景を入れる作業で一番時間がかかるのがイメージに合うものを見つける作業です。
何千個もあるファイルの中からお目当ての人を見つけるのは至難の業です。
そこでViccでは“Connecter”というアプリケーションを使ってタグ付けを行うことで効率化しています。
Connectorは、画像データだけでなく3Dデータも扱うことができます。Windowsのエクスプローラではプレビューできないpsdデータなどもサムネイル表示してくれるのですごく便利。3Dモデルもプレビュー可能です。
詳しくは、またの機会に、、
最後に
今回は、アクションと左手デバイスの連携、ライブラリーの整理を例に出してみました。これによって添景入れのストレスはかなり改善されましたが、まだまだ改善すべきところはたくさんあります。例えば、素材ごとのマスク作成や入れ替え作業なんかも自動化しておきたい作業の一つです。これに関しては、スクリプトを用いてツールを開発したので、また機会があればご紹介します。
左手デバイスについては、レタッチ作業だけではなくモデリング作業でも活用しています。rhinocerosや3ds Max、UnrealEngineなど複数のアプリケーションを使い分ける際、「同じような機能はあるけど、ショートカットが全然違う!」ということが多々あり、行き来が多いと間違えてしまうことも多いです。左手デバイスに同じようなショートカットをまとめておけば、そういったストレスは低減できることがあります。
とはいえ、手が届きそうで届かないところもまだまだ多く、試行錯誤は続きそうです。