本当にクオリティの高い建築のヴィジュアルはどうやってできるか(ワークフロー編)

はじめまして、株式会社ヴィックの有澤です。
ヴィック・シンテグレートのヴィジュアル制作を担当しています。

以前のヴィック編のブログでは渡辺から会社の沿革について説明しました。
今回の記事ではヴィックのヴィジュアル制作の大きな流れを紹介していきます。

ヴィックのヴィジュアルワークフロー

一般的な建築ヴィジュアルの制作は

図面等の資料確認 → モデリング → アングル作成 → レタッチ → チェックを重ね納品

という流れが主流になっています。ここではもう少しだけ詳細にヴィックがヴィジュアル制作においてどういう点に気を付けて業務に取り組んでいるかを説明したいと思います。

 

ヴィックのヴィジュアルワークフロー概略図

 

クライアントとの打ち合わせ

プロジェクトがスタートすると先方とパースの方向性を打ち合わせします。設計コンセプトやイメージの方向性、設計フェーズなどをヒアリングしていきます。

データのインポートとモデリング

打ち合わせが終わって方針がざっくり固まったら設計データを先方から貰い、建築と周辺環境のモデリングを行っていきます。ここ数年前までは2D図面を貰ってこちらでモデリングするケースが多かったのですが、最近は設計者から3Dモデルを貰うケースが大半になりました。設計行為に3Dモデルが浸透してきた事の証だと感じます。

ヴィックでは基本的にRhinocerosとGrasshopperを使ってモデリングを行います。
ライノデータをクライアントから貰う機会が多いのとシンテグレートと連携して業務に取り組めるようにする為です。過去に作成したGrasshopper(手摺やサッシュ、瓦屋根の自動作成スクリプトなど)を他のプロジェクトで使い回したり、新たにスクリプトを作成して業務の効率化をはかっていきます。
周辺環境のモデルはGoogle Earthを参照したり、最近リリースされた国土交通省のPLATEAUを使いこなしながら作成を進めていきます。

3DSMAXのビューポート

 

レンダリングワーク

Rhinoceros上でモデリングを終えたら3DSMAXへ取り込んでいきます。
モデルが正しく読み込めているかを入念にチェックしたのち、アングル作成をしていきます。

アングルが変わるとパースラインや物の見え方、光の入り方などが劇的に変わるのでかなり入念にアングルを探っていきます。また、クライアントが最終形をイメージしやすいようにこの段階でライティングとマテリアル設定をします。

 

アングル提案

 

上の画像は1枚のアングルを決める為に出した候補ですが、絵の印象が異なるのが見て分かると思います。アングルは完成品をクオリティを決定付ける重要な要素です。
ヴィックでは考えうるアングルを全て入念に検討し、プロジェクトが良い方向に向かうよう心がけています。

クライアントとアングルのやり取りを何回も重ね、アングルを確定していきます。
アングルが決まると、Photoshopでレタッチをする為の下絵を作り進めていきます。レンダリング設定の詰め作業や添景3Dモデルの配置をこの段階で行っていきます。

パースの鍵となる素材を作成する際にSubstance Designerを使って高品質なマテリアルを作成する場合があります。ノードベースでマテリアルを作成できるソフトですが、パースの中で特に力を入れたいマテリアルを作る際に活躍してくれます。

 

3DSMAX上で添景やマテリアル、ライトの設定を詰める。
下絵の完成

レタッチワーク

下絵を完成させ、レタッチ作業に入っていきます。
ヴィックでは、

プロジェクトに入る前段階で手でスケッチを描いて全体の雰囲気や人のアクティビティの方向性をイメージする事

を心がけています。手でスケッチを描く事で最終的な絵の方向性を固めていきます。
この作業はお客さんを良い方向へアシストする為にとても重要です。

初めに描いたスケッチを元に

  • 絵の全体の雰囲気
  • 空の選定、雲の配置
  • 人の配置、影入れ、絵への馴染ませ
  • 樹木や低木の描き入れ
  • 線画の重ね描き

などを下絵に盛り込みつつ絵作りを進めていきます。

添景のデータ管理にAdobe BrigeとConnecterを使っています。データ一つ一つにタグが割り当てているので自分が欲しい添景を容易に検索する事ができます。
また、

「絵の中でここだけ明るくしたいな。彩度を高くしたいな。」

と思った時に編集したい箇所を3DSMAXから抽出することで部分的に編集ができるようにしています。マスクと呼ばれるものですが、抽出するエレメントの数が多いとマスクを取る時間も膨大になっていきます。ここではPsd Managerが大活躍します。これは一回レンダリングをかければ自動でモデル空間内全ての選択範囲を抽出し、psdデータに変換してくれるとても賢いプラグインです。

 

最終イメージの完成

完成 

チーム内で確認、先方に確認を取り、修正作業を進め・・・いくつもの工程を経て最終イメージの完成となります。

参考例に挙げたこのパースは2019年に作成したアーバンデザインセンター大宮が構想している大宮駅グランドセントラルステーション化構想のパースです(現在検討中につき、確定したデザインではありません)。主な計画部分は高層ビル群とデッキ等の動線部分ですが、デザインが未確定なフェーズだったのでラフスケッチ的で抽象的な表現が求められました。

JARAという建築ヴィジュアライゼーションの団体の展示会にも出品されました。
http://www.jara-net.com/gallery/2019/1321/

最後に

今後、ヴィックが建築ヴィジュアル表現でこだわっている所や制作環境についてそれぞれ深堀りして書いていきます。乞うご期待くださいませ!

Yusuke Arisawa

ヴィック・シンテグレートのビジュアル担当。設計を学び新卒で入社。入社5年目。パース制作を主軸としつつムービー・VRMR等色々やります。週3-4で銭湯通い。

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