シンテグレートの仕事#2 – BIMプロジェクト支援

仕事#1でお話ししたのと並ぶ、シンテグレートの主要な仕事がBIMプロジェクト支援です。”BIM”を使った仕事を助けたり、それを企業内で円滑に使えるように研修などを行っています。

BIMモデルの作成支援

BIMとは、Building Information Modelingの略称です。コンピューター上に、現実と同じ建物の三次元モデル＝BIMモデルを作り、円滑な設計・施工に役立てたり、建物竣工後の維持管理に役立てたりする…というのが一般的な説明です。

シンテグレートでは、このBIMモデル作成の支援をしています。BIMモデルを作るには、そのために作られたソフトを使う必要があります。AutodeskのRevit, GRAPHISOFTのARCHICADなどが一般的でしょうか。シンテグレートでは主に、Revitを使ってBIMモデルを作っています。

ただ、このようなソフトを使っただけでは、BIMを用いてプロジェクトを遂行しているとは言えません。なぜでしょうか。

BIMモデルの 「情報」の重要性

繰り返しになりますが、BIMはBuilding Information Modelingの略称です。逐語訳をしてみると、Building＝建物の、 Information＝情報の、 Modeling＝形成となります。多少意訳すると、建物の情報がまとまった（形成された）もの、となるでしょうか。つまり、BIMモデルは単純な形を表した三次元のモデルのことではありません。その三次元モデルに様々な情報が付加されていなければ、BIMモデルとは呼べないのです。

例えばエアコンなどの設備機器一つとっても、建物を作るために必要な情報は三次元の形の情報だけではありません。同様の機器が建物内にいくつ必要かという数量の情報、正確に機器を納めてもらう際に必要なメーカーや品番・型番の情報も含まれるでしょう。その機器はいつ納めてもらえるか、納期の情報も重要です。機器の価格の情報も重要になる場合があるかもしれません。

これは他の建築を構成する要素にも言えます。外壁のガラスはどの性能のものが何枚、どこに必要でしょうか。壁の石膏ボード、建具、建物の構造となる鉄骨や鉄筋コンクリート、トイレやキッチンなどの水回りの設備、照明設備などなどなど…　建物は非常に多くのモノと、それに付加された情報から成り立っています。

これらの情報が三次元モデルに加えられて整理されていると、建物を施工するうえでは非常に有用です。工事の順番や工区を考える時に、資材や設備の納期が三次元モデル上にあれば、各工区ごとの進捗を視覚的に把握し、一部の資材の納期遅れに気付けるかもしれません。それらの情報が施主に表や文書として渡れば、建物の維持管理の上でとても便利ではないでしょうか。

このように、建物の3次元モデルをを作るだけではなく、それぞれの資材や設備など、建物を構成する要素の情報が加えられた3次元モデルが、BIMモデルだということができます。そして、これらの情報を生かして施工を円滑に、効率的に行うプロジェクトが、建築施工におけるBIMプロジェクトと言えるでしょう。

BIMプロジェクト支援

このようなBIMプロジェクトを遂行するには、いつどんな情報を誰が出すか、どのように情報を管理するかについて、綿密な計画が必要です。それがBEP（BIM Execution Plan, BIM実行計画）と呼ばれるものです。日本国外のプロジェクトでは、政府の求めなどから建築主がBEPを作成し、設計者・施工者がそれに従ってBIMモデルを作り上げるというものがいくつもあります。シンテグレートでは、BEPにのっとってプロジェクトを遂行するサポートや、BEPを作成する業務を行っています。

例えば上の画像のプロジェクトでは、超高層のレジデンス、ショッピングモールなどが入居した複合施設のBIMマネジメントをサポートしました。プロジェクトの初めに建築主からはBEPが渡され、クライアントの設計事務所とともにそれを読み解いていきました。そして、いつどこで、どのようなレベルの設計情報を決定し、それを読み込んだBIMモデルを作り上げればいいかを把握し、モデルの作成サポートを行いました。

建築主の求めにかかわらず、普段からBIMモデルを作成できれば、これまでの業務がより効率的に進むかもしれません。シンテグレートでは、建築・建設系の企業や、BIMを業務に生かしたい企業に対して、業務へのBIM導入の提案や研修、BIM導入のパイロットプロジェクトのサポートも行っています。

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