RevitでCAD図を読み込んだ時のめちゃくちゃな線種パターンをきれいにしよう
前回から4か月後の投稿になりました。前回の記事は以下のリンクのようなものですが、今回の記事もRevitとDynamoについてです。
本題に行く前に、私が最近日本でプロジェクトをやっていて感じたことを書いてみます。建築の設計・施工段階でBIMを段階的に導入する企業が増えていて、その中では設計事務所やゼネコンだけでなく、クライアントや建物のオーナーの関与が必須になるケースもあるように感じています。
このことは今回のテーマにも関係します。BIMを最初に導入する場合、設計初期の段階からBIMツールだけでプロジェクトを進めるのは難しいことが多いです。多くの場合は2D to BIMという方法がとられます。これは、はじめに今まで使っていたCADで二次元の図面を作成し、その後BIMソフト(今回はRevit)にインポート/リンクして3Dモデリングを行い、必要な情報を更新する、というものです。
今回の記事では、Revitに図面をインポート/リンクする際に起こる困りごとの一つを確認し、解決してみましょう。
この記事で使用したソフトウェアのバージョンはこちらです。
- Revit 2021
- Dynamo 2.6.1
- Autocadのサンプルデータ
CAD図面をRevitプロジェクトにインポート/リンクした後のチェック
CAD図面をRevitにインポートまたはリンクした後、管理タブ->シート->追加設定->ラインパターンで、Revitのラインパターンを確認してください。
上の図1、2を見ると、たくさんの線種パターンが追加されていますね。ここでの問題は2つあります。1つはCAD図面のリンクを解除しても削除しても、Revitファイルの中にこれらの線種パターンが残ってしまうこと。もう1つは線種パターンを削除したい場合、リストの中の項目を選択して、1つずつ削除するしかないことです。複数選択して削除することはできません。
追加線種パターン用のDynamoスクリプトを作成し削除する
今回は、OOTBノードのみをスクリプトで使用しました。
赤枠:Dynamoではカテゴリやタイプで要素を検索することができますが、今回はタイプで検索し、すべてのラインパターン要素を取得する方法を用いました。
オレンジの枠:検索した全線種パターン要素の中から、特定のキーワードを持つ要素に絞り込みます。
黄色い枠:見つけた線種パターン要素を削除し、削除した要素のIDを取得します。
緑枠 : 削除したIDリストとオレンジ枠でフィルタリングしたIDリストを比較し、削除できたか失敗したかを確認します。
Dynamoスクリプトがうまく動作するかどうかみてみましょう。
ちなみに、図5_Purge Unusedにあるように、「Purge Unused」機能は線種パターンでは使用することができません。
ところで、そもそもなぜ線種パターンをきれいにする必要があるのか?と疑問を持っている人もいるかもしれません。
Revitは単なるモデリングツールではなく、図面を作成することができるツールです。そのため、図面を見やすくする過程で線種パターンを使用することは多々あります。
もしBEPやモデリングガイドラインを無視して、色々な線種パターンを作って使うCADオペレータがいたら、図面はぐちゃぐちゃになってしまうでしょう。さらにその乱雑で整理されていないRevitファイルを受け取るクライアントがいたら、彼らがどう感じるかを考えなければいけません。
次の人が効率よく作業できるように、不要なものは削除し、片付け、ファイルの整理をすることがやはり大事です。
基本的なものは「Purge Unused」できれいにできるかもしれませんが、線種パターンなど、何度も作業を繰り返して削除しなくてはいけないものは、Dynamoスクリプトを作って効率的に作業するのがいいと思います。
もしこのDynamoスクリプトの詳細を知りたかったり、入手したいという方は、こちらまで連絡をくださいね。
翻訳: kantaro.makanae