大規模プロジェクトでのRhinoの運用#3 – LinkedBlock
大規模プロジェクトでのRhinoシリーズ第3弾です。
「ファイルを分割しつつ紐づけをするというのならLinkedBlockもあるんじゃないですか?」
との声を受けて、今回はLinkedBlockについて書きます。
前回同様の外装モデルです。
ただし今回は入れ子状のLinkedBlockにしています。
壁面部分が一つのブロックです。
挿入する際にLinkedBlockとしてある場合、インスタンスをダブルクリックすると、下のようなメニューが出てきます。
OKを押して新しいWindowが出てくるのを待ちます。
壁体だけのモデルが出てきます。
さらに一枚のパネルをダブルクリックすると、
パネル一枚単位での編集ができます。
ボルトの形状が編集したければボルトをダブルクリックしましょう。
LinkedBlockの場合、階層の最上位のものしか個別に選択したり、プロパティを確認することができません。
あるボルトのプロパティを読むためにはそのボルトが出てくるまでダブルクリックを繰り返すか、
あらかじめ階層に応じたフォルダ分けをしておいて、
ファイルの名前を記憶して個別に開いてあげる必要があります。
また、個々のオブジェクトを編集する際に、
他のものを参照としてLinkedBlockにする場合、
参照の循環が生じたり、
重複して読み込んでしまうため、
保存する際は読み込んだものを消去しておく必要があります。
プロジェクト全体のファイル構成をLinkedBlockでつくるのはあまり快適な作業環境にならないように思えます。
ではLinkedBlockが活用できるのはどんなシーンでしょうか?
このモデルでいえば、
パネルは個々の位置でサイズが異なっていたり、
開口が追加されたりする可能性がありますが、
ボルトは規格材を使う想定です。
このボルトをLinkedBlockにしておけば、
「長さが65mmから70mmに変更になった」というような場合、
一括して修正することができます。
何をLinkedBlockにして何をWorksessionにするかは経験に基づき、
プロジェクトごとに考える必要があります。
基本的には反復して出てくるもの、規格材はBlockにしておき、
パラメトリックに変更するものは個別のファイルを作成したうえで、
Worksessionにするとうまくいきます。
建築部材は階層性が一意的でないことも多いので、
深い入れ子のLinkedBlockではうまくモデルが構成できないという感覚があります。
もし、
「LinkedBlockだけで建築のモデルを構成しているよ」
という方がいれば、
どんな風にやっているかコメントを寄せていただけると嬉しいです。