Elefrontについて#1 -Elefrontで何ができるのか
この記事では5回に分けてElefrontの使い方について説明していきます。
この記事を読むと、Rhinocerosでも他のBIMソフトのようにジオメトリを管理出来ることに気づくかもしれません。
モデルを作成して終わりではなく、効率的に管理することでプロジェクトを円滑に進めるやり方を学んでいきましょう。
ジオメトリに情報を定義・参照するプラグイン
Grasshopperにはジオメトリに情報を定義し、それらを管理するためのプラグインとして「Elefront」があります。
私たちはパラメトリックモデリングをする際に、このプラグインを頻繁に使用しています。
というのも、私たちのように膨大な数のジオメトリを管理しながらプロジェクトを進めるためには、ジオメトリとそれに付随する情報の関係が重要になってくるからです。
Elefrontはそれらの関係を構築・参照するために便利なプラグインなのです。
情報を定義するメリット
次に、ジオメトリに情報を定義するとどのようなメリットがあるのかについて説明していきたいと思います。
1. 名前・日付
先ほど、膨大な数をモデリングするにはジオメトリと情報の関係が重要だと説明しました。
その内容は様々ですが、一般的によく用いられるのが名前付けです。
ジオメトリに名前を定義すると、そのジオメトリはテキスト情報で識別することが可能となります。
ただ名前を定義するだけだとランダムに生成されるID番号と変わらないので、ある命名規則の下で名前を定義することで、そのジオメトリの状態(位置)を示せたりすると良いでしょう。
また、名前を定義するメリットとしては、ジオメトリ同士の対応関係を把握することができる点が挙げられます。
例えば、一つのマリオンにいくつかのファスナー(パネルなどを固定するための留具、金具)が取り付く状況があるとします。
名前が定義されていない場合、これらの対応関係を把握するのには通常、干渉チェックなどの物理的な処理が必要です。
これらはRhinoceros上では計算時間のかかる、重い処理になってしまいます。
しかし、ファスナーに対応するマリオンの名前があらかじめ定義されていれば、テキスト情報を読み込むだけの処理で済みます。
このように、本来であれば重い処理が必要な場合でも、テキスト情報を効率的に用いることで、計算時間の短い軽い処理で行うことができる例が多々あります。
また、名前に加えて日付情報も定義することで、その部品が「いつ出荷されるのか」、「いつまでに制作するべきなのか」などを把握することが可能となります。
2. Plane
Planeとは座標位置とXベクトル、Yベクトルで定義することが出来る基準面です。
この基準面には方向という情報が含まれているので、ジオメトリとして実体化できません。
そのためテキスト情報で扱う必要があります。
基準面はブロックを作成する時などに必要になってくる情報ですが、他にも様々な用途に役に立ちます。
例えばジオメトリの2D化です。3D上に配置してあるジオメトリを2D化(例えば三面図など)するには、そのジオメトリに対して正対した状態で投影する必要があります。
その時に、ジオメトリに対して正対するように基準面を設定しておけば、2D化に必要なビューを簡単に作成することが出来ます。
3. Bake Name
Bake Nameは先ほど説明した名前の定義に少し似ています。
ただ、Bake Nameには名前の通り、Bakeする際に使える機能が備わっています。
GrasshopperからジオメトリをBakeする際に、同じBake Name情報をすでにRhinoceros上にあるジオメトリが保持していた場合、自動的にモデルが更新されるという機能です(なので二回目以降のBakeからめちゃ便利です)。
何度も検討する作業の時にBake Nameを設定しておけば、更新プロセスが効率的になります。
他にもまだたくさんのメリットがありますが、このようにモデルにテキスト情報を加えると管理や効率の面で非常に役に立ちます。
そして、最初に説明したようにElefrontはこれらの情報を定義するのに欠かせないツールです。
次回は、どのような仕組みで情報を定義していくのか説明したいと思います。
では、お楽しみに~。
次回の記事はこちら
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