新版BIMガイドライン読みましたか?#1

建築分野におけるBIM の標準ワークフローとその活用方策に関するガイドライン(第2版)

日本の有識者、関係団体などで構成される”建築BIM 推進会議”は、BIMの活用拡大のため、上記ガイドラインの第2版を3月に発行しました。

シンテグレートのようなBIMを専門として扱う会社にとっては、非常に重要な文書です。これを読むことで、現代日本におけるBIMの活用状況と直面している課題を、間接的に把握することができるからです。

この記事ではガイドラインを読みながら、海外・日本で行ったBIMプロジェクトでの経験をもとに、考えたことのいくつかをシェアしたいと思います。もし質疑がありましたら歓迎します。

施工段階から「施工BIM」をやる場合

建築分野におけるBIM の標準ワークフローとその活用方策に関するガイドライン(第2版)p47 より

本来、設計BIMと施工BIMを連携する計画を、設計前の段階で立てるのが理想的です。ですが、それが不可能な場合もあります。いずれにせよ状況を十分に考慮した上で、無理のない計画を立てなければいけません。施工の初めから施工BIMをやらなければならない時に、重要なことは何でしょうか?

着工準備の際に計画すべきことはものすごくたくさんあります。そしてそれらの多くは、施工BIMの計画と密接につながっています。BIMコーディネーション計画を立てると、BIMチームが最も忙しいのは着工してすぐだということがわかるでしょう。着工初期にBIMモデル上で検討をしなければならないこともものすごくたくさんあるからです。

BIMチームを作ること自体にも時間がかかりますが、着工初期にBIMモデル上で検討すべきことを十分に考えて計画を立てるべきでしょう。 施工BIMをやる必要があるなら、まず初めにBIMマネージャーを決め、彼を施工計画の準備に緊密に関わらせるべきです。

BIM活用の計画

建築分野におけるBIM の標準ワークフローとその活用方策に関するガイドライン(第2版)p47 より

有効にBIMデータを管理・活用するためには、BIM活用計画を作るべきです。その計画は設計者を選定するよりも前、オーナーが事業計画を作る際に、同時に作るべきだと考えます。引用した文章は、それを再確認する内容になっていると言えます。

具体的な計画と条件なしに、複数のチームがそれぞれBIMデータを作ったとしても、非常に限定的な効果しか得られません。得られるのは不必要な混沌だけになるでしょう。 発注者は、設計、工事入札、施工の全過程でのBIMデータの条件と作成過程を契約書にまとめ施工会社の選定にも反映しなければなりません。

また、設計BIMが施工会社に伝達される際は、公開する範囲と責任の所在を明確にしなければなりません。そのため、私たちは設計BIMデータと一緒に「設計BIMマニュアル」を発注者に納めることを勧めています。

(設計BIMマニュアル: 設計BIMデータの作成基準、モデリング範囲、プロセス及び設計BIMモデルの最終状態を整理した文書)

設計施工分離方式での施工コンサルティング

建築分野におけるBIM の標準ワークフローとその活用方策に関するガイドライン(第2版)p51 より

上記の文章にはすこし異論があります。 設計段階に、施工会社が施工に関するコンサルティングサービスを提供することはもちろんありえます。

しかし上の文章の末尾には、「設計から施工へのBIM データの受け渡しプロセスの連続性確保を支援することが考えられます」とあります。これはコンサルティングサービスを行った施工会社が、そのまま施工業務を受託する前提になっているように読めます。しかし、設計・施工分離方式において、設計の完了前に工事業務の受託を約束するのは無理があるのではないでしょうか。

コンサルティングサービスを行った施工会社はプロジェクト内容をすでに把握しています。そのため、競合他社よりは有利に入札に参加できるはずです。施工会社に与えられるアドバンテージはその程度が限界ではないかと思います。 また、実際の施工を他の施工会社が行う場合、BIMデータ伝達の連続性確保が不確実になることもあり得るでしょう。

次回のブログでは、ガイドラインでデザインビルド方式について述べているところについて触れたいと思います。

翻訳・構成: kantaro.makanae

charlie.yoon

テクニカルディレクターとして、主にBIM関連業務を担当。 英国の設計事務所、中東の施工会社とプロジェクトマネジメント会社を経て、2020年にシンテグレートに入社。 国際的な経験を活かしつつ、かつ新参者として日本でのやり方を試しながら、「作業プロセスとしてのBIM」について書いていきます。 email: charlie.yoon@syntegrate.jp

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